「ランジェ公爵夫人」

ーヴェル・ヴァーグの巨匠リヴェット監督が、文豪バルザックの名作を映画化。
19世紀初頭、パリの貴族社会を舞台に、男と女のかなわぬ愛がたどる数奇な運命を描く。

ャック・リヴェット監督が、カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した「美しき諍い女」(1991)に続き、フランスの文豪バルザックの名作に忠実に、完璧なまでの美しさで完全映画化。力強く、堂々たる風格の文芸作品を生み出した。19世紀初頭、パリの虚飾と欺瞞に満ちた貴族社会を舞台に、社交界の華ランジェ公爵夫人とナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍の恋を描く。最初は戯れのようにみえた二人が、いつしか激しく恋愛に陶酔してゆく姿を通して、男と女の普遍的な関係を見事に描き出す。その徹底した細部へのこだわりと、冷静な眼差しは、恋に身を焦がす男女の心情を際立たせ、二人の甘美で幻想的な世界に、観る者の魂を誘う。

演バリバールとドパルデューの、相手に一歩も譲ることのない緊張感あふれる名演技。蝋燭の灯りに美しい衣装、同時代の貴族社会を忠実に再現した美術、見事な撮影。

やかにモンリヴォーを誘惑するランジェ公爵夫人を演じるのは、フランスの人気女優ジャンヌ・バリバール。強烈な存在感を放つモンリヴォー将軍を演じたギヨーム・ドパルデューは父親ジェラール・ドパルデューに勝るとも劣らない名演技で魅了する。二人の演技は、時代と世界を超え、現代の私たちの胸に愛の真実の姿を突きつける。

を固める名優ミシェル・ピコリとビュル・オジェの風格ある演技は作品にさらなる重厚感を与えている。「ランジェ公爵夫人」はリヴェット監督の冴え渡った練達の演出と、俳優たちの素晴らしい演技、そして蝋燭の灯などの自然光を生かした美しい映像、貴族社会を忠実に再現した美術や衣装などにより、格調高い輝きを放っている。