ラナ・ゴゴベリゼ監督最新作「金の糸」公開記念(2022年2月26日より岩波ホールにて)
ヌツァ・ゴゴベリゼはジョージア最初の女性監督。1937年の大粛清で夫は処刑され、彼女は長く流刑された。その娘ラナは戦後ジョージア映画を代表する監督。ラナの娘サロメを加え、一家は三世代にわたり女性と社会を捉え続ける。
「ブバ」
- 2月7日(月)13:00
- 2月17日(木)18:30
- 2月25日(金)10:30、15:30

国家建設という名目はあるが、コーカサスのラチャ地方の大自然のなかで、ジョージアの人々の厳しい労働と四季折々の暮らしが描かれる。幼子の描写や村人たちのドラマティックな群舞に、斬新なモンタージュを用いて、彼女の傑出した才能を感じさせる。
※「幸福」併映
「ウジュムリ」
- 2月7日(月)10:30、15:30
- 2月17日(木)13:00
- 2月25日(金)18:30

ソ連邦初の女性監督による長編劇映画。西ジョージアの湿地帯で、中央政府の啓蒙政策、水路建設の人々と土着の住民の軋轢を描く。この作品の後にヌツァは粛清され、作品もすべて押収されて存在すら確認できなかった。ギヤ・カンチェリの音楽がついた新版。
「インタビュアー」
- 2月7日(月)18:30
- 2月17日(木)10:30、15:30
- 2月25日(金)13:00

ラナの作品はいずれも高い知性と繊細な感性を感じさせ、テーマは多様だが時代と社会を鋭くとらえる。本作はジョージア初のフェミニズム映画といわれ、テレビの女性リポーターの私生活、そして彼女の女性たちへの取材をとおして現代を浮き彫りにする。
「幸福」
- 2月7日(月)13:00
- 2月17日(木)18:30
- 2月25日(金)10:30、15:30

ラナの娘も現代ジョージア人が抱える問題を女性の立場で描く。独立後の厳しい社会状況下、イタリアへ不法入国で渡って出稼ぎする妻が、突然亡くなった夫の葬儀に帰れず、参列者が訪れるなかで携帯電話を使って遺体に思いを語る‥。悲しくも可笑しい傑作。
※「ブバ」併映
関連記事