本日はイラン映画「少女は夜明けに夢をみる」の初日にお越しくださいまして、本当にありがとうございます。岩波ホールの岩波律子でございます。
私どもでは、振り返ってみますと4本イラン映画を上映しています。だいたい2000年代初頭に固まっているのですが、バフマン・ゴバディ監督の『わが故郷の歌』(04)『亀も空を飛ぶ』(05)、ハナ・マフバルバフ監督が10代の時に撮った『子供の情景』(09)、それから2012年にはモハマド・ジルワーニ監督の『イラン式料理本』です。そして、ようやく本日新しいイラン映画をご紹介できることを嬉しく思っています。
この作品を上映しませんかというお話をいただいて観た時、大変すばらしかったのですが、ヒジャブを被ったイランの少女たちのお話なのでどうかなと悩みました。しかし、こういった問題は日本にもあるので、きっと参考になると思って上映を決めました。マスコミの方々向けの試写会を始めて、大変びっくりしたのが、関係する問題を扱っているジャーナリストの方々が、これはイランのことではなく、全く日本の話ですよと言われたので、私たちは勇気を得まして、上映の準備を進めてきました。
9月、メヘルダード・オスコウイ監督が来日して、一生懸命キャンペーンをしていただいたのですが、この人なら、私の身の上を全部聞いてもらえるというような、すごく厳しいけれど優しい方でした。そんなわけで少女たちの気持ちを聞くことができたのだなと思いました。なんと、帰国前に、観客の方々に是非お会いしたいからと、ご自身で再度日本へ来られることを決めた素晴らしい方でございます。
ここでオスコウイ監督からひと言だけ頂きたいと思います。監督をご紹介します。どうぞ。
メヘルダード・オスコウイ監督ご登場
「ありがとうございます。ようこそいらっしゃいました。私が尊敬する小津安二郎監督、溝口健二監督が生まれた日本で自分の作品が上映されることをとても嬉しく思います。1か月前にもここに来たのですが、僕がここに来たのは、彼女たちの声を直接伝えるためです。皆さんの感想をお聞かせいただけたら嬉しいです。」
それでは、これから上映をスタートいたしますが、この立派な作品を上映する機会をくださった配給会社ノンデライコの大澤さん、宣伝の皆さんに感謝申し上げます。