本日は、「岩波ホールセレクション」の初日にお越しくださいまして、本当にありがとうございます。皆さまには大変ご無沙汰いたしました。
『巡礼の約束』の上映を中断し、2月下旬に休館しましてから、もう4か月近くになります。緊急事態宣言が緩和されましたので、この機会に再開できたことをとても嬉しく思っております。休館の間は、9階の事務所で私どもも仕事はしていたのですけれども、電話はかかってこない、お客様もいらっしゃらない、リモートワークやオンライン会議も致しましたけれども、どうも馴染みませんでした。現場でお客様に接しているのが本来の私たちの仕事なので、なんとなく気の抜けたような感じもしておりました。
本日からのセレクションは、ご覧の通り1日3回のみ、安心してご覧いただけますように、細かいご注意を貼ったり、映像で映したりしております。どうぞご協力をよろしくお願いいたします。
マスコミなどでは、劇場の困難について色々と話題になっておりますが、実際には、その劇場に洋画を提供してくださる配給会社の方々も非常に困難な状況にあります。
今回のムヴィオラはじめ、私どもと交流のある配給会社の方々は、地味ながらも、意義のある良質な作品を勇気を持って輸入されて、岩波ホールとともに新作を育てていくといった同志的な間柄でございます。
この機会に、名作『オレンジと太陽』の上映から開始します。初めての方も、あらためてご覧になる方も、今の状況の中で、以前と違った色々なことをお感じになることと思います。
これからもこの形でしばらくは続けていきますので、また足をお運びいただければ幸いでございます。最後になりましたが、この素晴らしい作品をご提供くださったムヴィオラの皆さまに心より御礼を申し上げます。それではどうぞ、ごゆっくりご覧くださいませ。本日はありがとうございました。