「ペトルーニャに祝福を」支配人あいさつ
2021年05月22日(土)

「ペトルーニャに祝福を」支配人あいさつ

支配人挨拶

皆さま、本日は「ペトルーニャに祝福を」の初日にお越し下さり、ありがとうございます。昨年から、コロナのことで休館することも多かったのですが、今年の2月からは、ようやく日本映画、続いてチベット映画特集、そしてブータンの映画を上映しまして、大変好評をいただきました。私共も、改めて、このように大変な時期こそ、心を豊かにする作品を上映してゆかねばならないこと、文化活動は決して不要不急ではないということを実感いたしました。

さて、「ペトルーニャに祝福を」は、北マケドニアやスロヴェニアなど、数か国による合作映画ですが、エキプ・ド・シネマの上映作品としては267本目で、国籍数としては今回で65か国に達しました。

北マケドニアは旧ユーゴスラヴィアから1991年に独立し、2019年にこの国名となりました。人口は200万人余りで、宗教は人口の7割がキリスト教(マケドニア正教)、3割がイスラム教だそうです。

この作品は、2014年に実際にあった出来事がもとになっています。1月に行われるキリスト教のお祭りがあります。これは男性だけが参加する“神現祭(しんげんさい)”と呼ばれるもので、川に投げられた十字架を獲得したものが、幸せになると言われています。ところが、それを取ったのが女性だったことから事件になったそうです。

この映画を監督したのは、女性のテオナ・ストゥルガル・ミテフスカです。妹のラビナ・ミテフスカは、ミルチョ・マンチェフスキー監督の「ビフォア・ザ・レイン」(94)でデビューした女優ですが、本作の製作者であり、映画の中でテレビ局のリポーター役を演じています。主役を演じるのはコメディ女優のゾリツァ・ヌシエヴァで、たいへん良い味を出していると思います。

この作品はコロナのために1年遅れて上映となったものですが、ひとつも古くなっておりません。この映画の上映で、大勢の方々が力づけられますよう願っております。

最後になりましたが、いつもすぐれた作品をご提供くださいます、アルバトロス・フィルムの皆さまに心よりお礼申し上げます。

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