「歩いて見た世界」支配人あいさつ
2022年06月04日(土)

「歩いて見た世界」支配人あいさつ

支配人挨拶

本日は、岩波ホールの最終ロードショー「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」の初日に大勢お越し下さいまして、誠にありがとうございます。岩波ホールの岩波律子でございます。

この作品は、ドイツの高名なヴェルナー・ヘルツォークという監督によるものです。ヘルツォークについては、ご存知の通り、かつてニュージャーマン・シネマと言われた作家たちの一人です。岩波ホールでは1983年に「アギーレ・神の怒り」を公開しております。これは、きわめて個性の強い俳優クラウス・キンスキー主演の作品でした。

今回は、ヘルツォーク監督の親しい友人であった、作家のブルース・チャトウィンをめぐる物語で、すでにご存知の方も多いと思いますが、チャトウィンは「ソングライン」や「パタゴニア」のなどの著作で有名でございます。監督は、チャトウィンの歩いた道を自ら辿って、「放浪」という人間存在の中心にある概念を探求します。皆さまには、映画をじっくりと味わっていただければ幸いです。

最後になりますが、岩波ホールは1968年にスタートし、今年で54年になります。個人的なことですが、私は開館の時には高校生でオープニング・セレモニーも見ております。初期には、映画の他にも、演劇、音楽会、講演会なども行う多目的ホールでございました。1974年から「エキプ・ド・シネマ」の活動が始まりました。

当時の関係者だった、前社長の岩波雄二郎、総支配人の高野悦子も、みなこの世の人ではありません。というわけで、私はすっかり岩波ホールの語り部となりました。創立の頃から通っておられる会員の方もいらっしゃいます。皆様には、スタッフ一同感謝しております。

また、すぐれた映画をご提供くださいましたサニーフィルム、そして多くの配給会社の皆さまにもお礼申し上げます。これからは、どうぞ他の映画館にも通っていただき、ジャーナリズムにも関心をお持ちになり、本もたくさん読まれて、この困難な世の中を歩んでいってくださいませ。

そして、さまざまな活動の器として活躍してくれた、この劇場・岩波ホールよ、ありがとう!

それではどうぞごゆっくりご覧くださいませ。

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