岩波ホール2018年ラインアップ<岩波ホール創立50周年記念作品>をご紹介します。劇場ではリーフレットもお配りしておりますので、ぜひ今後のご鑑賞のご参考にされてください。
2月3日より「花咲くころ」 Grdzeli nateli dgeebi
ナナ・エクフティミシュヴィリ、ジモン・グロス共同監督
ジョージア(グルジア)=フランス=ドイツ映画/2013年/カラー/ジョージア語/パンドラ配給
3月17日より「馬を放つ」 Centaur
アクタン・アリム・クバト監督/キルギス=フランス=ドイツ=オランダ=日本映画/2017年/カラー/キルギス語/ビターズ・エンド配給
かつてシルクロードの一拠点として栄えたキルギス。妻と息子と暮らすケンタウロスと呼ばれる男には、秘密があった…。生活様式が変わるなか、太古からの馬と人間の関係を呼び戻そうとする男の生き様を通し、現代を生きる我々が手に入れ、失ってしまったものは何なのか、普遍的問いを投げかける。
4月28日より「マルクス・エンゲルス」 The Young Karl Marx
ラウル・ペック監督/フランス=ドイツ=ベルギー映画/2017年/カラー/フランス語、ドイツ語、英語/ハーク配給
1840年代のヨーロッパ。産業革命による社会的ひずみが格差を生み、貧困の嵐が吹き荒れて、人々は不当な労働を強いられていた。マルクスは、搾取と不平等に対抗すべく政治批判を展開し、パリでエンゲルスと出会い、彼らは「共産党宣言」の執筆に取り組んでいく。歴史を作った二人を描いた感動作。
6月16日より「ゲッベルスと私」 A German Life
クリスティアン・クレーネスほか監督/オーストリア映画/2016年/モノクロ/ドイツ語/サニーフィルム配給
第二次世界大戦中、国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス)のゲッベルスの秘書を務めたブルンヒルデ・ポムゼル。撮影当時103歳だった彼女の、人生最初で最後の独白ドキュメンタリー。20世紀最大の戦争の記憶を呼び起こすとともに、保守化した現代社会に生きる我々に警鐘を鳴らす。
8月4日より 「祈り」三部作・一挙上映
テンギズ・アブラゼ監督/「祈り」(1967年)「希望の樹」(1976年)「懺悔」(1984年)/ザジフィルムズ配給
ソヴィエト連邦、崩壊前夜の伝説的映画「懺悔」本邦初公開から10年。近年、再評価が高まりつつある、ジョージア(グルジア)映画界を代表する巨匠テンギズ・アブラゼ監督が20年の歳月をかけて完結させた大作“祈り三部作”を、日本初公開の「祈り」を筆頭に一挙に上映する。
9月15日より「モアナ 南海の歓喜」 Moana with Sound
ロバート・フラハティほか監督/アメリカ映画/1926年、1980年(サウンド版)、2014年(デジタル版)/モノクロ/グループ現代配給
1923年南太平洋の島サモアに一家で移住したフラハティは、島の人々と共に彼らの暮らしをフィルムに焼き付けた。この作品によってドキュメンタリーという言葉が生まれた。約半世紀後、撮影当時3歳だった娘モニカがサモアに戻り、住民たちの協力を得て鮮やかに音声を蘇らせた。日本劇場初公開作品。
10月13日より「コーカサスの風 ジョージア映画祭2018」
主催:岩波ホール、ジョージア国立フィルムセンター/後援:在日ジョージア大使館
知られざる映画の王国ジョージア(グルジア)、その110年の映画史を照射する。サイレント映画の伝説的名作からソヴィエト連邦時代を経て現代まで、ジョージア映画の傑作の数々を、未公開作品10余作品を中心に一挙上映。コーカサスの国から未知の感動をお届けする画期的企画。
10月下旬より「ガンジスに還る」
シュバシシュ・ブティアニ監督/インド映画/2016年/ビターズ・エンド配給
死期を悟った父は突然、ガンジスのほとりの聖地「バラナシ」へ行くと家族に告げる。息子も同行し、“人生の最期”を迎える旅へと向かう―。
12月中旬より「葡萄畑に帰ろう」
エルダル・シェンゲラヤ監督/ジョージア映画/2017年/クレストインターナショナル、ムヴィオラ配給
大臣をクビになり、突然の災難に見舞われた男とその家族の行方。ジョージア(グルジア)社会をユーモアでくるみ、葡萄畑広がる故郷への愛を描く。