岩波ホール2019年~2020年のラインアップをご紹介します。劇場ではリーフレットもお配りしておりますので、ぜひ今後のご鑑賞のご参考にされてください。
上映中 「田園の守り人たち」 Les Gardiennes
グザヴィエ・ボーヴォワ監督/フランス=スイス映画/2017年/カラー/フランス語/135分/アルバトロス・フィルム配給
第一次世界大戦下のフランス。2人の息子を戦争に送り出した農園の未亡人オルタンスは、若い働き手フランシーヌを雇い入れる。誠実な彼女は女主人の信頼を得て、家族同然に暮らし始める。前線から一時休暇で帰ってくる次男ジョルジュもまた慎ましやかなフランシーヌに惹かれてゆくが…。監督は『神々と男たち』のグザヴィエ・ボーヴォワ。主演はフランスを代表する女優ナタリー・バイ。亡き巨匠ミシェル・ルグランの美しき旋律にのせて、銃後を守る女たちを鮮やかに描いた傑作。
8月24日より 「聖なる泉の少女」 NAMME
ザザ・ハルヴァシ監督/ジョージア映画/2017年/カラー/ジョージア語/91分/パンドラ配給
ジョージアで伝承される昔話を現代に蘇らせた作品。西部の山深い村に、人々の心身の傷を癒してきた聖なる泉があった。先祖代々、その治癒を司ってきた家族がいたが、老いた父は息子たちにではなく、娘ナーメに使命を継がせようとする。しかし彼女は青年に恋をし、その運命に思い悩む。そんなある日、水力発電所の建設が、山の水だけではなく泉にも影響を及ぼすようになる‥。霧に包まれた森と湖を舞台に、自然との神秘な交感を描き、今日の物質文明に異議を投げかける作品。
9月28日より 「エセルとアーネスト ふたりの物語」 Ethel and Ernest
ロジャー・メインウッド監督/イギリス=ルクセンブルク映画/2016年/カラー/英語/94分/アニメーション/チャイルド・フィルム、ムヴィオラ配給
「スノーマン」で知られる英国の絵本作家レイモンド・ブリッグズが、自身の両親の人生を愛情込めて描いた原作を美しい手描きアニメーションで映画化。1928年、ロンドン。陽気な牛乳配達のアーネストは、生真面目で働き者のメイドのエセルと恋に落ち、結婚。最愛の息子の誕生、第二次世界大戦の苦難、戦後の経済発展を経て、ふたりが同じ年に世を去る1971年までを描く。ささやかな幸せを大切に、激動の20世紀を生きたふたりの人生が心に沁みる。エンディング曲をポール・マッカートニーが提供。
11月2日より 「少女は夜明けに夢をみる」 Starless Dreams
メヘルダード・オスコウイ監督/イラン映画/2016年/カラー/ペルシア語/76分/ドキュメンタリー/ノンデライコ配給
高い塀に囲まれたイランの少女更生施設。強盗や殺人、薬物、売春で捕らえられた少女たち。その無邪気で瑞々しいその表情からは、彼女たちの過酷な境遇をうかがい知ることはできない。しかし、親の愛情を受けられず、虐待を受けてなお、親を信じ続ける彼女たちの心の嗚咽が問いかける。人間の罪深さと、少女たちの罪の深さを――。第66回ベルリン国際映画祭・アムネスティ国際映画賞受賞。イランの優れたドキュメンタリー作家メヘルダード・オスコウイ監督が放つ感動のドキュメンタリー。
12月7日より 「リンドグレーン」 Unga Astrid
ペアネレ・フェシャー・クリステンセン/スウェーデン=デンマーク映画/2018年/カラー/スウェーデン語/123分/ミモザフィルムズ配給
「長くつ下のピッピ」「ロッタちゃん」シリーズをはじめ、世界の70か国語以上に翻訳され、100以上の国で出版されている児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの若き日々を描いた伝記映画。スウェーデンの片田舎で平穏に過ごしていた10代のアストリッドは、自由と刺激に満ちた世界を求めて地元の新聞社で働き始める。執筆の才能を開花させた矢先、彼女の人生は予期せぬ方向へと進んでいく…。苦難に立ち向かった作家の知られざる半生と名作誕生のルーツに迫る感動作。
「アラ・チャンソ(原題)」
ソンタルジャ監督/中国映画/2018年/カラー/チベット語/109分/ムヴィオラ配給
「モルエラニの霧の中」
坪川拓史監督/日本映画/2019年/カラー・モノクロ/日本語/220分
「God Exists, Her Name Is Petrunya(原題)」
テオナ・ストゥルガー・ミテフスカ監督/マケドニア映画/2019年/カラー/マケドニア語/100分/アルバトロス・フィルム配給
「DAFNE(原題)」
フェデリコ・ボンディ監督/イタリア映画/2019年/カラー/イタリア語/94分/ザジフィルムズ配給