ごあいさつ
2020年05月23日(土)

ごあいさつ

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2020年5月吉日

みなさま、その後いかがお過ごしでしょうか。

「巡礼の約束」を2月下旬に上映を中止してから、早いもので3か月経ってしまいました。その後の「モルエラニの霧の中」をはじめ、数本も配給会社との話し合いにより、来年に延期となりました。

このコロナウィルスの世界的な感染拡大は、人類がかつて体験したことのないほどの事態となっております。今までに、私たちは大型台風、サリン事件、東日本大震災などさまざまな困難の中、活動を続けてきましたが、今回は未曽有の事態だと思います。

当ホールは1968年のオープンから6年位は多目的ホールとして、伝統芸術、音楽、演劇、講演会、テーマ別の映画特集などを経て、1974年から、世界の埋もれた映画の上映運動を進めてまいりました。最近では「他で見られない映画を上映するところ」と言っていただくこともあり、嬉しくも身の引き締まる思いでございます。

しかし、現状では「不要不急」ということで、映画館、劇場、音楽会場などは休館の要請がございました。ドイツなどでは、たとえこのような状況にあっても、芸術文化が大切にされ、人間にとって必要なものであると、見做されていることがうらやましく思われます。

休みの間、私は久しく願っていた旧作をDVDで見る機会があり、心打たれたのですが、つくづく大画面で、映画館で観たかったと感じました。というのは、映画館の暗闇で、他の観客とともに息をひそめ、笑い、泣き、感動して、別世界、別の人生を体験し、外の日常に出ると、ああここは違う世界なのだと初めて気が付く、それが得難い体験なのだと思います。それを、DVDやパソコンの画面上で映画を観てしまうのは、仕方のないことでもありますが、それは映画館での「体験」とは異なる気がします。

残念ながら、現状では映画館のよさを味わいにくいのですが、今後再開の折には、対策を十分に行い、安心して鑑賞していただけるよう、準備したいと考えております。スタッフ一同、劇場で皆様にお目にかかれますことを心より楽しみにしております。

支配人 岩波律子

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