本日は、バングラデシュの映画「メイド・イン・バングラデシュ」の初日に大勢お越し下さり、ありがとうございます。岩波ホールの岩波律子でございます。この作品は、実際にはフランス・デンマーク・ポルトガルも参加している作品ではありますが、今まで私どもでご紹介してきた作品の国籍は66か国目となりました。
バングラデシュは、ご存知の通り、縫製工場で有名でございます。この作品の上映が決まったころ、昨年でしたか、たまたま買ったTシャツがバングラデシュ製でした。
映画は、縫製工場で長時間働かされている若い女性たちを描いております。かつて、日本でも「女工哀史」という本が大正14年に出版されました。これは、寄宿生活を伴う過酷な労働が描かれていましたが、今回の作品は少なくとも衣装がカラフルで美しく、見る者のつらさが多少は和らげられるような気がいたします。
この映画を作りましたのは、バングラデシュ出身の女性監督ルバイヤット・ホセインさんです。本日と明日の2時半の回の上映終了後、ホセインさんから観客の方にオンラインでご挨拶があります。
また、撮影監督のサビーヌ・ランスランは、ポルトガルの巨匠で106歳まで活躍したマノエル・ド・オリヴェイラの作品も担当した方です。
この作品を観て、私たちに何か役に立つことできるのかと、皆さまにも考えていただければと思います。上映期間中にトークを4回予定しておりますので、講師の先生方がそのヒントも与えてくださるかと思います。
最後になりましたが、この力強い作品をご提供くださいました、配給会社パンドラの皆さまに心よりお礼を申し上げます。本日はありがとうございました。